千葉県八街市で白ナンバーのトラックが児童5人を死傷させた事故から、6月で3年になる。警察庁は事故をきっかけに道路交通法を改正し、白ナンバーの車を使う事業者の飲酒検査を義務化した。「飲んだら、乗せない」を徹底するために――。検査結果をスマートフォンのアプリで管理する現場を取材した。(杉江隼)
飲酒検査が義務に 社員の意識向上「反応したら仕事ができない」
千葉県鎌ケ谷市で酢を製造する私(きさ)市(いち)醸造で5月中旬、50代の男性社員が社用のスマホでアプリを操作していた。出社後の午前8時半ごろ、アプリに対応した専用のアルコール検知器に息を吹きかけ、同時にスマホで自分の顔を撮影して本人確認を済ませた。
この社員は車で商品を運ぶ。「以前は社長の前で検査していたので負担が減った。酒に反応してしまったら、その日の仕事ができない。社員の意識は強くなったと思う」
白ナンバーの車で自社の荷物などを運ぶ事業者に対し、警察庁は昨年12月から運転者の飲酒検査を義務づけた。八街市の事故から約4カ月後、道路交通法の施行規則を改正し、5台以上の白ナンバーの車を使う事業者を対象にした。該当する事業者は運転前後の状態を目視などで確認し、記録を1年間保存することなどが求められる。
私市醸造では、営業で車を使…